「つき合ってもらっちゃって、ありがとうございました！」
「…いや？いいって事よ」
「…カゲツさん！」

じゃあなって手を振る彼の背中に声をかけた。どうして、ダイゴさんじゃなきゃダメなんだろう…ずっと考えてたけど、きっと理由なんてない。運命の人＿＿それ以外に、説明しようがないんだと思う。

「カゲツさんはさっき、ダイゴさんに幸せにしてもらえって言いましたけど、私…、ダイゴさんと二人で幸せになります！」

そう伝えた。そうだな、ってニカッと笑うカゲツさんは、どこまでもいい人で…。

「…それ聞いて安心したぜ。前に会った時のオマエ、何か元気なさそうだったからな」
「え？そうでしたっけ？」

何だかんだでカゲツさん、ダイゴさんの事もそうだし、面倒見がいいよね。早くリーグに遊びに来いって伝えとけ、そう言われた事もあったな。

「カゲツさんって、何だかお兄ちゃんみたい！」
「…っ！」

そう言うと一瞬ハッとなったけど、すぐにいつもと変わらない笑顔で。

「はは、なるほど当たってるかもな。できの悪い妹を持つとな、苦労が絶えねえんだよ」
「…もう！何ですかそれ…痛っ！」

頭をはたかれた…！軽く睨んだら、笑えよ、だってさ。

「笑いますよ！カゲツさんが頭はたかなければ！」
「そうやってずっと笑ってろよ、な？オマエには笑顔が一番なんだからよ。それに…、あんま悲しませると、ゲンジさんに怒られるからな」

…ふふっ。四天王のみなさんも仲良いし、本当にいい人たちばっかりだし、やっぱりここ、ホウエン地方に来て良かった！

「…かなこちゃん！遅くなってすまない」

やっとダイゴさんのお出まし。チラッとカゲツさんの方を見たから気まずくなるかと思ったけど、コイツに見張りに指名されちまってよ、とかいつもの雰囲気。

「ありがとう、カゲツ。かなこちゃん、ボクたちは家に帰ろう？」
「え？でも、主役がいないとダメなんじゃ…？」

そう言うと明日でも平気だよ、なんて返ってくる。上手く言っとくから帰れよ、というカゲツさんのフォローに甘えて、この日は退散。…それから。二人で婚姻届を提出して、晴れて私たちは本当の夫婦になったんだけど、その話はまた今度ね！

〜weddingに続く〜