「かなこさん、飲みましょう!」
かなり酔ってるプリムさん、フヨウちゃんに囲まれて。カガリちゃんも意外と飲むんだな…天然キャラが炸裂しまくってて。それからマツブサさんとホムラさん、イズミさんと話して、酔いつぶれたウシオさんをアオギリさんと一緒に介抱して。
「ふう……」
ダイゴさん、まだかなぁ…。こんな時まで仕事なんだもんね、たぶん嘘だと思うけど。奥さんをこんなところに放ったらかして、何してるのよもう。
「……かなこ?風呂、入ってこいよ、な?」
カゲツさんがそう声をかけてくれて。お言葉に甘えて、お風呂に。オレは外で見張ってる、なんて言うから笑っちゃう。でも、貸し切りだったから、カゲツさんに感謝しなきゃ…なんて思ってたら。
「オレも入っていいか…?」
え……?返事をする前に、ガラッと戸が開いた……。
「や…、待って、タオル…」
鏡に写るのは、裸の私と、その私を後ろから抱きしめるカゲツさん…。恥ずかしくて近くにあるタオルを取ろうとしたら、こう制される。
「…裸が見たいんじゃねえよ、少し黙ってろ」
「……っ」
私を抱きしめる力が強くなる…言われた通りにすると、カゲツさんは、こう、呟いたの。
「ダイゴに…、幸せにしてもらえよ」
「あ……」
「…返事は」
急かすような、それでいて答えを待ってるような、そんな問い。返事の代わりにコクンと頷くと、そっとその場を後にした。
「…悪かったな、中に入っちまって」
出るなりカゲツさんはそう言う。いいえ、はにかみがちに答えたら微笑してたっけ。
「…けど安心しろ、オレは何も見てねえよ」
「…はい……」
それから。湯加減はどうとか、私がお風呂に入ってる間に誰も来なかったとか、他愛もない話をして。その様子からして下心は全く感じられなくて、心のなかでホッとした。