「っはー!うめぇなァ、やっぱりよ」
ついにユウキくんの言ってた合宿が始まった…。あまりにも唐突に、
「ミナモシティに集合な!」
とかカゲツさんが言うもんだから、笑っちゃった。ダイゴさんとミクリさんの対決に決着がついた…のかな、あれからは穏やかな日々が流れていて。時々ミクリさんは私たちに差し入れをくれるようになったし、ダイゴさんはダイゴさんで、
「ミクリに礼を言わなくちゃな」
とか言ってやたらと高級そうなワインとか調達してるみたいだし…。でも相変わらずメタグロスの手入れは欠かせなくて、
「かなこちゃん!」
「ん?どうしたの?ダイゴさん」
「実はね…行ってみたいところがあるんだ、きみも一緒にどうだい?」
それはとても素敵な提案で。私たちのメインイベントは、そこで行うって決めた。だからそれまで、気持ちを高めておかなくちゃ!
「なあ、かなこはまたどこかに旅に出るのか?」
ゆったり船に揺られながらユウキくんは聞いてくる。雑談しながら向かった先は、もちろんバトルリゾート。着けばアオギリさんとマツブサさん、アクア団やマグマ団のメンバーも集まってたっけ。それぞれバトルを楽しみつつも夜の宴会が待ちきれないみたいで、浮き足だってたな。
「オウッ、かなこ!」
「ウシオさん!イズミさん!」
会話しながらアオギリさんがチラチラこっちを見てくるのが気になったり。フヨウちゃんとカガリちゃんっていうマグマ団の幹部が話してるのが不思議だったり。プリムさんとミクリさんは後から来るから、ゲンジさんとマツブサさんが保護者代わりだったり。
「これチャイルド!このホムラさまの邪魔をするでない!」
ユウキくんはマグマ団幹部のホムラさんに悪戯して追いかけ回されてたっけ。ちょっとして、みんなでお昼を食べて。ツンと鼻にタバコの臭いがしてふと、足を止めた。