“しばらく、修行でもしようかと思っているんだ”
…。ダイゴさんはそう言ってムクゲ社長の前から姿を消して早くも3日が経とうとしてる。どうせ流星の滝にでも行ったんだと思って探しに行ったけど、ババさまは銀髪のイケメンなど見ておらんぞ、なんて言う。
「…はぁ」
別に今更、浮気してるとか疑うつもりは全くないけど、自由すぎるのも正直どうなの?って思う私は、心が狭いのかな?そんな中で会ったユウキくんは、
「ダイゴさん?見てないな…それよりかなこ!」
「ん?なに?」
「今度、四天王が主催でバトルリゾートとミナモシティで合宿するらしいぜ!」
…ん?合宿!?何か嫌な予感しかしない…。仕方なく帰ってきてから一度も挨拶してないミクリさんを訪ね、ミナモシティに降り立って。風が強くて、色んな想いが重なる…、時間だった。
「余計な話をしてしまったな。安心したまえ、ダイゴは直に帰ってくるだろうから」
「…はい」
ダイゴさんが私たちの家に帰ってきたのは、その3日後の事だった。
「かなこ?これ、新しいレシピよ!」
「…ありがとう!ママ!」
婚約してから初めてママが私たちの家に来てくれた!ダイゴさんは仕事があるから、軽く挨拶しかできなかったけど、それでもママは満足そう!
「あなたたちならきっと大丈夫よ、何があっても。だって、かなこが選んだ人だもの」
「ママ…」
パパもあれだけジムを空けてたから、仕事が溜まってるんだって。来れないのを残念がってたわよ、そう言うママから料理のレシピをもらって。
「私も、頑張らなきゃ!」
もちろん旅もしたい。だけどこれから、ツワブキ家に嫁ぐワケだから、ただ自由に好き勝手やっていていいものでもない。どうしていきたいか、決めなきゃいけない日が、近づいてくる気がした。