「勝負も大事だけど、きみの身体の方がボクにとっては大事だから。今日はゆっくり休みなよ、かなこちゃん」
触れられる手は温かくて…、思わず瞼を閉じてしまいそう。色んな事があったからちょっと…、疲れちゃってたのかな…。少し休んですっかり元気になった私をダイゴさんは、大空の旅へ連れていってくれた。
「ここから見えている景色が、ボクたちだけのものだと思うと、少しもったいない気もするね!」
「ふふ…そうだね!」
本当に。ダイゴさんって、ロマンチストなんだと思う。一人で見るよりも二人の方が、何倍も素敵に見えるな…なんて呟いてる。
「ラティアスに出会えた事を、ラティオスに感謝しなくちゃいけないね」
そう言ってラティオスの頭を撫でる。夢幻の笛で私たちを連れ出してくれたのは、今日は青く透き通ったボディの持ち主で。待ちきれないという風に隣に寄り添う赤は一際輝いて見えて…、とても綺麗だった。
「かなこちゃんはラティアスと帰るかい?」
「うん、そうしようかな!」
よーし、競争だ!そう言うダイゴさんはめちゃめちゃはしゃいでいて。イッシュ地方で生まれた溝が埋まって本当に良かった、何度もそう思う。
「次の時までにメタグロスを鍛えておかなくちゃ…つき合ってくれるよね?」
「うん!もちろん!」
優しい笑顔。綺麗な瞳。こんなに素敵な人が側にいるんだもの、不満なんて何もないよ。どんな私でも受け入れてくれる…太陽のような人。ダイゴさんはそんな存在なんだ……