「生まれ変わっても私…、きっとまた、ダイゴさんに恋をすると思う」
「ボクもだよ、かなこちゃん。ほら、ラティオスが待っているよ…?」
そう優しく促した彼の笑顔は、今まで見てきたどの瞬間よりも穏やかで、綺麗だった。ロゼだけじゃなくて、ラティオスも仲間にした私が目指すのは、世界中のトレーナーなら誰もが憧れるポケモンマスター。…やっぱり、勝負も好きだけど私、大好きなダイゴさんが愛するポケモンたちと、もっともっと仲良くなってみたい。広い世の中に生息している全てのポケモンたちと、出会ってみたい。
「うん!きっときみになら、できると思うな!旅をしながら、新しいコたちと出会えるといいね!」
そして後に私は、偉業を成し遂げる事になる___
「「あ……」」
二人して言葉を失った。…相手はというと、ガッツポーズしたり叫んだり。ここへ来て、まさかの敗戦をするなんて、思ってもみなかったから……
「…かなこちゃん、そんなに落ち込まないで?またやり直せばいいだろ?」
「うん……」
…最強。そんな言葉がふさわしいと思ってた二人に訪れた、突然の負け。もしかして、最近ちゃんと育成してなかったから、ダメだったのかな…なんて。
「ふふ…安心して?ボクももっと的確な指示を出せるようにするから、かなこちゃんはただポケモンを信じてくれれば…」
「私だって、ダイゴさんの役に立ちたいの…」
ふわっと香る、ダイゴさんの匂い。それに今日は香水でもつけてるのかな?いつもと違って、クラクラする…。そっと離されると、グラリと揺れる身体。
「…ん?もしかして、具合でも悪いのかい……?」
「え……?」
具合悪い?私が?そんな事ないと思うんだけどな…。ダイゴさんの好意に甘えて家に帰ると、優しい眼差しで寄り添っていてくれる。