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「けどねかなこ…きみに出会えた事で、本当に色んな感情と出会い、ホウエンの歴史に触れ、世界を揺るがす事件に直面して…、一人で冒険していた時とはまた違う発見があって…」
「……」
「知識だけじゃどうにもならない事があって、そこにきみの強さを感じて、惹かれ…、けど惹かれるほどに醜い感情が生まれ、傷つけて、苦しんで……」

……っ!!島全体に突然現れた温かい光が…、ダイゴさんの身体を包んで…。

「綺麗……」
「本当だ……」

今にも泣きそうなほど苦しそうな表情を浮かべていたダイゴさんに、笑顔が戻った気がした…。

「ワケのわからない話をしてしまったな…すまない」
「…ううん?大丈夫、続けて?」

そっと息を吐いた。壊れそうなくらいにもろい彼の心がちょっとだけ…、顔を覗かせてくれた気がした。

「かなこちゃん…きみを想う気持ちは安いものじゃあないから、何度も愛の言葉を口にしたりなんかしない。けど、これだけは言わせてほしい。例えこの世界が滅んでしまったとしてもボクは…、そこが地の果てだったとしても必ず、きみを見つけだす。それくらい深く深く、かなこ…、きみを愛してる」
「ダイゴさん……」

巡り会えた奇跡。運命。もう…、何だっていい。あまりにも素敵で、どうしようもなくて…、そんな人と想い合えた事、神様に感謝しなくちゃいけないと思う。

「私を愛してくれて…、ありがとう」
「かなこちゃん…」

古代の城でもちょっとだけ、互いの想いを伝えたけど、大切な事は何度だって伝えたい。


bkm
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