「……っ」
程なくして、ひんやりとした空気が辺りを包んだ。それに何だか孤独を感じた気がしてそっと寄り添えば…、縮まる距離。
「怖いの?かなこちゃん」
「うん…というか…、不安…?」
そんな私の気持ちを察してなのか、ダイゴさんはただただ微笑んでいるだけだった。けどそれが私の胸の奥底の不安を取り除いてくれる…そんな気さえした。
「ここ……?」
「うん……」
彼の…ダイゴさんの…、行きたかった場所。ただの洞窟から繋がる古めかしい、歴史を感じさせる場所には、先ほどとは違った空気が流れていた。かつての城…古代の城は、ホウエンの歴史なんかよりもずっとずっと長いんじゃないかと言う。
「奥に…、行ってみよう?」
優しく手招きする彼は不思議なオーラをまとっている。それはここが…、神秘的な場所だからなのか、それとも…。答えは見えないまま、中を歩いた。
「これは、一体どこに繋がっているの?」
「ふふ…後でわかるよ?だからもう少しつき合って?」
ドクンドクンと高まる胸の鼓動。それは隣から来る温もりなんかじゃなくて……。
「……きゃあ!」
「……っ!?」
突然ザーッと音がした__目の前が崩れてきた砂で覆われ、咄嗟にダイゴさんに抱きついた。それを優しく抱きとめると、行こう…?消えそうな声でそう言う。
「大丈夫…、かな……?」
まさか…歓迎されてないのかな……?途端に得体の知れない恐怖に襲われる。でも不思議…ダイゴさんが微笑むと、そんな気持ちがなかったかのように消えていくの…。