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「ここも素敵だね!ダイゴさん!」

ヒオウギシティからイッシュ地方を眺めて。こんなに素敵な場所へ連れてきてくれた彼に、感謝しなくちゃいけないね。そう思って行きたいところは?そう尋ねたら、いいの?そう満面の笑みで。

「そんな顔されたら、行かないワケにいかないじゃない」
「そうかい?ヒウンアイスを美味しそうに食べていたかなこちゃんには敵わないと思うけどな?」

ダイゴさんのタブレットで記念撮影して。向かった先は歴史のある、ホウエンとも繋がりがあるかもしれない、場所。

「いつの間に見つけたんだ…」

再びPWTに戻ってきて。まだ観光してたっぽいゲンさんと少しだけ話して。仲直りできたんだね、そう微笑む彼は素敵だとは思うけどでも…、私の運命の人はここにしかいない。

「ふふ…こんなボクを好きでいてくれるのはかなこちゃん…きみしかいないというのに。なぜ心配するんだろう?」

あの事はもう、笑い話だね。そんな風に話してたらダイゴさんはこう言う。嬉しいんだけど…、私のシュミがおかしいという事なのかしら…?そしてまた見た目だけイケメンのボクにはかなこちゃんしかいないよ、なんて言うもんだから、笑ってしまう。

「ふふ…きみにどう思われていても、ボクのとなりで笑ってくれるなら、それでいいんだ」
「何それ?じゃあ、ダイゴさんの事嫌いになってもいいの?」

そう言うとそれは困るな、だって。でもね…、絶対に絶対に、これまでもこれからも…、ダイゴさんを嫌いになる事はないと思う。だって…、私が惚れたのは、見た目だけじゃないから…。

「さあ、行こうか」
「…うん」

引かれた手はとても温かい。ふわりと柔らかく微笑むと、スラッとしているのに逞しい背中を見つめながら、地下へと潜っていった。


bkm
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