せっかくここに来たんだから、試合観戦も楽しまないと…!そう思っていたら、後ろからワタルさんに話しかけられた。しばらく見ながら話してたんだけど、急に黙っちゃったワタルさんが口を開く。
「…そうか、そういう事か」
「え…?」
いきなりどうしたんだろう?しばらく何か考え込んでるみたいだったけど、ああ!と納得したように手をポンと叩く。
「どうしたんですか?何かありました?」
横目でワタルさんを見ると、満面の笑みでこう返ってくる。
「ここに戻ってこなかった理由はそれか」
「え?」
「ダイゴくんと…、愛し合ったんだな」
…えっ!?え、何で…!?ワタルさんもしかして…、エスパーなの…!?!?
「はは、おれが何でわかったのかって顔してるな…わかるよ、ここを見れば」
「へ…!?」
触られたのは…、首筋…?ま……、まさか……。
「…っ!!そんなに…、痕になってますか…?」
「ああ…」
…っ、ダイゴさん、いつの間にこんな事したの…!?!?とたんに恥ずかしくなって、逃げるようにロビーへ移動した。
「お待たせ…かなこちゃん」
今日の日程を確認して、ロビーで待っているかなこちゃんに声をかける。
「ダイゴさん…」
…ん?何だかかなこちゃんの様子がおかしい。でもボクは、一番気になっている事を聞いたんだ。
「さっき、ワタルさんと一緒にいたよね?何言われていたんだい?かなこちゃん」
「…っ!!」
そう聞くとなぜか、顔を真っ赤にしながら頬を膨らませている…可愛い、じゃなくて…。