「……かなこちゃん!!」
ドンッと大きな音がしてまもなく、扉が開かれた。その声にパッと私から離れるミクリさん。緊張が解けてボーッとしてたら、慌てて駆け寄ってきたダイゴさんが、服を着せてくれた。キッとミクリさんを睨みつけると、信じていいの?そんな風に問う。
「すまないダイゴ、少々冗談が過ぎてしまったな」
「じょ…、冗談でこんな事……!?」
途端に顔に熱が集まってくる…どうしよう、恥ずかしすぎて死にそう…本当に怖かったのに…!
「泣かせるつもりはなかったんだ、本当にすまない」
「いえ……」
気づいたら泣いてたみたい…ポン、と頭に手を置くミクリさんは、何だか優しかった。そんな彼をダイゴさんは、悲しげな瞳で見つめていた…。
「あ……」
前からミクリさんが歩いてくる…何となく緊張しちゃうと、思いがけず優しい声が届いた。
「かなこちゃん、具合はどうだい?」
「…、おかげ様で」
控えめに答えたら気まずいと思われたのかな?昨日はすまなかった、そう謝られる。
「…ダイゴが手放せなくなるのが、何となくわかる気がしてね…」
「へ……?」
な、何言い出すの…!?全身にゾクゾクッと寒気がする。チラッと横顔を盗み見たら、いつもと変わらない、妖艶な笑み。…何か悔しい。
「わたしを本気にさせるとはね…きみはなかなか興味深い存在だよ、かなこちゃん」
「え…?ホンキ…?」
何?どういう事!?あんな事したの、冗談じゃなかったの……!?