「……。もしかして、かなこちゃんに会ったのかい?」
「そう、かもしれないし、そうではないかもしれない。何があったのかは知らないがダイゴ…、あんなに可愛い女の子を放っておくのはどうかと思うよ」
「……」
こればかりはボクのせいだからね…けど、どう謝ったところで、許してもらえると言うんだい…?
「わたしで良ければ話を聞こう。昨日、かなこちゃんは相当酔っていたようだから…、それなりに大事だったんだろうと勝手に推測しているけどね」
…浮気。それってどこの事まで言うのだろう?結局疑問は解決しないままだった。
「うう……」
朝からお腹の調子が…。昨日のせいかな?もしかして。今日の試合はパスさせてもらおう、そう思ってたらよお!とか言いながら突然、グリーンさんが隣にドカッと腰を下ろしてきた。
「ホウエンの元チャンピオンとやらが、こんなところでサボってていいのかよ」
「それは…。グリーンさんこそ、試合、見なくていいんですか?」
そう聞くと、急に真剣な顔つきになってこんな風に言う。
「隣に冴えねえ顔の女がいるのに、放ったらかしにしとけってのか。まあ、それでもいいけどな」
来いよ、そう言われて連れられた先は、テラス。ここからは試合会場が見下ろせて…、何だかんだでグリーンさん、見たいんじゃない。
「オレさまもチャンピオンになった男だからな…けど、幼馴染みのレッドのヤローに負けちまって、今はトキワのジムリーダーやってる」
「へえ…」
「カロスのチャンピオンが欠席するらしくてな、急きょオレにお呼びがかかったってわけだ」
そうなんだ…。時折こっちを見ながら笑顔で話すグリーンさん、ちょっと、カッコいいかも…なんて。