「はは、驚いたかい?」
「そりゃー!驚きますよー!どうしたんですかー!」
私を近くのベンチに座らせるとゲンさん、自分の肩に私の頭を引き寄せるんだ…。何で男の人って、こうも思わせぶりな事するのよ…ドキドキしちゃうじゃない…。
「何があったかは知らないけれど、かなこちゃん…きみはまた、ダイゴの事で悩んでいるんだろうね…」
そしてゲンさんは何でもお見通し。そう言うとルカリオが教えてくれたから、って…今は手持ちにルカリオを連れてるから、ルカリオ同士が波動で会話したのかな?にしてもゲンさん…それがわかるなんて…。
「きみは本当に面白いな、かなこちゃん。顔がコロコロ変わっているよ」
「へ…!?や、見てたんですか…!」
何か酔いがさめたかも…そっと反対側を向くと、こんな事を言われる。
「きみの旦那はいつも、きみを困らせているんだね…全く、会ったらこらしめておかなければ」
「え!?だ、旦那…!?」
サッと左手を覆った。からかわれないようにホウエンでは、首から下げていたんだけど、せっかく観光に来てるんだから…と二人で、左手の薬指につけたんだ。
「…さあ、行こうか。少し、冷えてきただろうから…」
寒さで震える私を気遣って、上着をかけてくれたゲンさん。その横顔がカッコいい…なんて言ったら、失礼なのかな。
「…コホン」
「え?なに?」
「いや…ルカリオがね…」
そう言うゲンさんの頬は少しだけ、赤くなってる気がした…。
「…!ゲン…!?」
なぜ彼がここに…?無駄に笑顔を向けてくる彼を不審に思っていると突然、ルカリオにどつかれた。ボクが何かしたとでも?そう主に問えば、わたしは何でもお見通しだよ、なんて言うんだ。