「ふわぁ…」
眠い…昨日、あれからパパと盛り上がりすぎちゃって、結局寝たの明け方だったもんね…少しフラつきながら歩いていたら。
「え……?」
シロナさんと、ダ…、ダイゴさん……!?!?
「「あ…」」
…っ、なっ…、何で同じ部屋から出てくるの…!?それってまさか……。ダイゴさんは慌ててるけど、シロナさんはニコニコと笑顔を絶やさない。それが何だか悔しくて、気づいたら走り出していた。
「…きゃあ!」
「そんなに慌てて、どこへ行くんだい?」
ワタルさん…何でこんなところに!?振りほどきたいのに、強い力で腕を掴まれたら、観念するしかない。
「泣いてるきみを放ってはおけないだろ…ちょっとつき合えよ」
半ば無理やりロビーに連れていかれて、ワタルさんと話してたら何だか、穏やかな気持ちになったんだ…。
「……ふう」
かなこちゃん…。あれは確実に、誤解させてしまった顔だったな…。いくら何もなかったとは言っても、同じ部屋から出てきたらきっと、いや…絶対に、浮気を疑うよな…。
「すまない、かなこちゃん…」
悪いとは思ったけど、ワタルさんとかなこちゃんの後をつけた。話すタイミングが欲しかったからね…。けど、他の男と仲良くしている姿を見るより今は、胸が焼けるように痛い。___かなこちゃんを傷つけた。そんな想いがボクを支配する。時折近づく二人の距離さえ気にならないくらいに、苦しかったんだ…。