「え?って…、ワタルさん…!?!?」
やだ、見られてたの…恥ずかしくて俯くと、そんな気にするなよ、だって。
「き、気にしますよもちろん…!」
「ちょうどよかった、かなこちゃん!良かったらもらってくれないか?」
わあ…!カイリュー…!しかも、特性がマルチスケイルらしくて、貴重なポケモン譲ってもらえたかも…!
「気に入ってくれたかい?きみに会えたら渡したいと思っていたから、そうだと嬉しいよ」
「わざわざ私のために…、ありがとうございます!」
結局昨日言えなかったけど、二人からポケモンもらったって言ったら、ダイゴさん怒るだろうなぁ…だから、言わない!
「それよりかなこちゃん、今日はネックレスしてないんだね」
「え…?あ、はい、まあ…」
そんなに首元開いてなかったのに、よく見てるな、ワタルさん。もしかしてあの時、ユウキくんも、これを見てたのかな…?曖昧に微笑んで会場に戻ると、やっぱりすごい熱気だな…そう感じて何だか、やる気が出てきた。
「……」
チャンピオン戦は思ったよりも多くないようで、ボクは時間を持て余していた。だから石探しでも行こうかな…そう思っていたけど。
「うん…悪くないね」
遠目から彼女の試合を観戦する。スッと横にシロナがやってくると、筋がいいわね彼女、なんて言う。