「すごい…!」
PWTに足を運んで。今日はプレオープンらしく、一般のトレーナー(とは言ってもエリートトレーナーたち)の試合が行われていた。イメージを膨らませようか、というダイゴさんの提案にのって今、観客席にいるんだけど。
「うん…いい感じだね!明日からは退屈しなさそうだ!」
隣にはテンションが上がって、興奮気味のダイゴさん。ちょっと老けたなあ、そう思うけど…やっぱりカッコいい!出会った頃から綺麗な瞳をしてたけど、それはきっと、ダイゴさんが純粋な人だから。チャンピオンだって事も、御曹司だって事もひけらかしたりしないし、メタグロスが一番だけど、ポケモンの事をすごく大切に想ってるし、石マニアすぎるけど、大好きな趣味を無我夢中でやってるし…。だからそんなダイゴさんが。
「…大好き」
「…っ!?」
驚いて飛びのいてるけど、喜んでくれてるのがわかる。婚約した今でも、わからない事の方が多いかもしれないけど、ダイゴさんは言わなくても、表情や仕草で何となく、わかるようになってきた気がする。
「ふふ…ありがとう、かなこちゃん。そろそろ、受付を済ませようか」
ん?受付?私は招待されてないけど…?ワケがわからないままダイゴさんに連れられて、夜のパーティーに参加する事になった。
「ボクはツワブキダイゴ、ポケモン地方の元チャンピオンです」
まるでホテルのようなPWTの中にあるパーティー会場。チャンピオンからジムリーダーまで、一通り挨拶が行われている。私は…というと、ただのチャレンジャーだから挨拶は控えさせてもらったけど、明日からの試合には出れるみたい!
「かなこはどうするんだ?せっかくだから、各地のリーダーたちと勝負するのも悪くないぞ!」
隣でパパがこう言う。もう、久しぶりに会えて嬉しいぞって顔に書いてあるんだから!
「…そうだパパ!相談したい事があるから今度、部屋に遊びに行くね!」
それにしてもダイゴさん、やっぱりカッコいいな…!そんな事を思ってたら、ステージにはある人がいたんだ…。