「そろそろ、出ようかな」
全身にくまなくシャワーを浴びて、パッとベッドの方を見たら。
「……えっ!?!?!?」
ダ…っ、ダイゴさん……!?い、いつの間に帰ってきたの!?!?恥ずかしくなって急いでシャワーヘッドを元の位置に戻すと、かろうじてカーテンを閉めていたトイレの方に逃げ込む。
「…っ」
心臓はうるさいくらいにドキドキいってる…もちろん、初めて見られるワケじゃない、お風呂だって一応…、一緒に入った事ある…けど何か、見られてるのって……。
「かなこちゃん…なかなかの眺めだったよ」
「…っ!!!!」
ダイゴさんのバカ、変態…!恥ずかしすぎて思わず泣きそうな目で睨むと、すまない…って謝ってくる。
「…何で声かけてくれなかったの!」
「ふふ…今更恥ずかしがる事なんてないだろ?」
…バカバカバカーっ!人の気も知らないで…!どうせ見るんだから…そう言うダイゴさんはやけに色気があって、いつもよりも大人に見えた。
「少し飲むかい?かなこちゃん」
「……。わあ…!」
恥ずかしさを紛らすために口に入れたら、すごく美味しい…!
「喜んでもらえたようで何より。やっぱり、きみには笑顔が似合うね」
隣ではそう呟くダイゴさん。誰のせいで…!と思ったけど黙っとこう。でも本当に美味しい…!
「実はね、PWTに招待されたんだ」
「PWT…?」
聞けば、各地のジムリーダーやチャンピオンが集まる、バトル大会みたいなのがここ、ホドモエシティで開催されるらしくて…って事は、パパにも会えるんだ!
「ん?センリさんに会えるのが、そんなに嬉しいのかい?」
ふふ…!パパに嫉妬してるダイゴさん、ちょっと酔っぱらってきたのかな。