「…すまない」
「え?あ…、大丈夫…」
「少し目を離すといつもきみはこうだな」
Nさんとダイゴさんの目線がぶつかる。…けど、スッと優しい瞳に戻るとNさんは、ダイゴさんにこう言う。
「キミのメタグロス…キミの事がダイスキだと言っている…キミたちは一体…」
驚いて目をぱちくりさせているダイゴさんに一通り説明すると、納得したみたい?
「やあ、ボクはダイゴ。これでも、ホウエン地方のチャンピオンをしていた事があってね…」
「ボクはN。今、かなことポケモン勝負を通じてわかりあおうとしていたんだ。キミもどうだい?」
かなこ、そう呼び捨てされた瞬間にピクッとなったダイゴさんの眉。それを見なかったフリをして大袈裟にラティアスの頭を撫でてボールに仕舞うと、とりあえず移動しよう?そう伝えた。
「N…さんはまだ旅の途中なの?」
「…Nでいいよ」
「じゃあ…Nはまたどこかへ行くの?」
そのやり取りをやっぱり不機嫌な様子で観察してるダイゴさん…きっとこのNって人、私の事女としては見てないと思うんだけどね?
「会いたいトレーナーがいる、ボクはそのトレーナーを捜して当てのない旅を続けているんだ」
また会おう…それだけ言い残して言っちゃった。しばらく沈黙が続いたけど大丈夫?ダイゴさんはそう聞いてくる。
「うん、ラティアスがお利口だったから」
「それより…きみはすぐに男に声をかけられるね…どうしてだろうか」
あ…久しぶりに考えるポーズしてる…。それがカッコいいとか思う私、呑気すぎるのかな?
「…さあ、気を取り直して行こうか!」
そんなダイゴさんにぴたりと寄り添って、これから訪れる幸せを待った。