132
「キミのポケモン、キミの事をスキと言っている…特にラティアス」
「え……?」

この人…、ポケモンの声が聞こえる…の?しばらくボーッと見てたら失礼、そう一言。

「ボクはN。イッシュ地方を旅しているんだ」
「あ、私は…かなこです。よろしく」

握手を交わし、さっきの事を聞いてみたら、ボクはポケモンと共に育ったんだ、なんて言う。ちょっと…、不思議な人…?

「話せば長くなるけど、ボクはヒトに傷つけられたポケモンと共に生活していたから、ポケモンの言葉がわかるんだ。…それよりもかなこ、ボクのトモダチと勝負してくれないか?」
「え?トモダチ?」
「ウン…ボクの、トモダチ」

…あ、ポケモンの事か。それなら…、しかけられた勝負、断るワケにはいかない!

「じゃあ、私の大好きなラティアスで応戦するね!」
「アリガトウ、キミのポケモンも、ボクのトモダチと戦いたい…そう言っている!」

キッと鋭い目を向ける。その目つきは見た目のふわふわした雰囲気からは想像できないくらいにすごいオーラを放ってる。彼はイッシュ地方の伝説のポケモンと友達になったんだって…なら、同じ境遇の私だって、負けてなんかいられない!

「ラティアス、りゅうのはどう!」「ギャロップ、メガホーン!」

…くっ!互いのポケモンが繰り出す技はとても見事で、久しぶりにこんなに楽しいと感じたかもしれない…!いつしかギャラリーが集まって、みんな好きな方を応援してる。

「…かなこちゃん!!」
「え…?あ、ダイゴさん待って…!」

…っ!!よそ見した私にポケモンの技が…!ぎゅっと目を瞑ったけど、咄嗟にラティアスがかばってくれて、幸い無傷で済んだ。


bkm
prev next
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -