「……っ!」
ふわりと香る、ダイゴさんの匂い。それは私が、ダイゴさんに抱きしめられているという事。
「かなこちゃん…無事でよかった…」
「ごめんなさい…ダイゴさん……」
しばらくそのまま抱き合っていたけど、ポケモンセンターに戻ろう?そう促されて、帰路につこうとした時。
「…っ、待って…」
何か、気分が悪いかも…。その場にしゃがみこむと大丈夫?そう言う声が二人。
「「え……?」」
そこには、ちょうど通りかかったという、ドクターがいて。診せてみなさい、そう言われて服をめくろうとすると、ダイゴさんに制される。
「かなこちゃん…今日は中に着ていないよね?知らない男に下着を見せるの?」
「…っ、そんな事言われても…。一応、診てもらった方が…」
そんなやりとりをしてたら、クスクスと笑われた。医者はいちいちそんな事気にしてないよ、だってさ。
「……。とにかく、ポケモンセンターで診てもらおう?かなこちゃん。この人にお願いするとしても、外ではダメだから」
もう、厳しいなあ。結局ドクター(ハルキさんっていうんだって)に診てもらって、今日はここに泊まる事になった。
「ん……っ、ふぅ……っ」
息が苦しい…求められるキスは甘くて、切ない。壁際に追い詰めてくる瞳は、どこか切なげに揺れている。肌が触れてしまいそうなほど近くにいるのに……、2つの影が1つに重なる事はなかった。