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「う……っ!」

突然、お腹の辺りに痛みが走った。うずくまりたいのに、後ろからの力が、それを許してくれない…。

「女の子相手に……っ、こんな事……っ!!」
「うるせえ!じゃあ何だ、女として扱われたいって事だな…?」

え……っ!?ジリジリと私に近寄ってくる目つきは鋭くて…、身体がすくむ。その度にまるで逃がさないとでも言うかのように、私の腕を掴む力が強くなる。

「フン…その口、塞いでやろうか」
「……っ!!」

グイッと掴まれる顎、縮まる距離。何とか残る力で睨みつけると、前から歩いてくる人…。

「その子から離れてくれないかな」
「っ、ダイゴさん……!」

聞こえてくる低音はやけに低く、その瞳は揺れていると同時に、一際鋭い気がする。こんな状況だというのに…、ドキドキしちゃうのは何でだろう。

「何だ何だ!コイツの仲間か!」
「プラーズマー!邪魔物は排除…「ボクのメタグロスと、勝負してもらえないかい?……いいよね?」

……っ!眼光は鋭さを増す。こんなに真剣で、それでいて強い眼差し。たぶん…初めて見たんじゃないかな。

「かなこちゃん…下がってて」
「うん…」

いつしか怖かった事も忘れてただただ、目の前の人のカッコよさと安心感を味わっていた…。

「……くっ」

程なくして。ダイゴさんの気迫に負けたらしいプラズマ団が離れていくと同時に、私たちはセイガイハシティの海岸へと戻されていた。あの船での出来事は夢だったんじゃないかとも思う…でも、確かにお腹の痛みは存在している。


bkm
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