「言わなかったけど、探検家みたいな服も正直、あんまり似合ってな…んっ!」
「少し…黙っていてくれないか?」
…ああもう!バカにされるとすぐ怒るんだもん、ダイゴさん。どうせかなこちゃんは何を着ても似合うからね…ってまた皮肉混じりに言ってくる。
「…そうじゃないの!その…ダイゴさん、スーツ姿があまりにもカッコよすぎて…」
そう言うと今度は照れてる…忙しい人。
「うん…まあいいよ。ボクはきみが楽しんでくれているなら、他に何もいらないよ」
「…っ」
久しぶりに手、ちゃんと繋いだかも…。幸せをかみしめながら出会った、悪の組織。
「…あ!あんたたち…!」
広い洞窟の中。手分けしよう?そう言う私の発言をよく思わなかったらしいダイゴさんは、ようやく頷いてくれた。海に繋がる穴から出ると、例の帆船が泊まっていた。降りていたタラップを上がるとプラズマ団の一人が、何だ?とか言いながらこっちに向かってくる。
「街を氷漬けにするなんて…、許せない!」
「プラーズマー!何だおまえ!関係ないやつはあっちに行け!」
「関係ないけどでも!あんたたちのやってる事を見過ごすワケにいかないでしょ!?」
睨みつける目は鋭いけど…、ここまで来たのに引き下がるなんて、私にはできない…!
「……っ!」
ヤバい、背後を取られた…!前のプラズマ団に気をとられてたら、後ろから羽交い締めにされちゃう…!
「や、離して!何するの!」
キッと睨みつけ、身をよじるけど、まるで効果がない。気づけば数人に囲まれて、下手に突破はできそうになかった。