「…ねえ!写真撮ろうよ!」
こんな時に呑気な事してる場合じゃないけど。マリンチューブを抜けた先。プルリルっていうのかな?ポケモンの顔出し看板を見つけた。ダイゴさんははじめこんな時に?という顔をしていたけど、根負けしてくれた。
「うん…思い出すね、あの時を」
__あの時。コガネシティを観光していた時。ゲームコーナーに寄る前に街をうろうろしながら、気づいたら地下通路に迷い込んでいて。写真屋さんに声をかけられて撮った…あの衣装。
「ふふ…まだ保存してあるんだ」
そう言ってダイゴさんは得意気にタブレットを見せてくる。…っ!そんなにアップで撮られてたの…!?しかもちょっとマヌケな顔じゃない…!
「もっとまともな顔なかったの!?何でこんな変な顔…!」
「ん?かなこちゃんはどんな表情でも可愛いよ、これはボクのお気に入りだから」
そう言うダイゴさんはもしかしたら…私のミニスカートが好きなのかな?それともまさか…、ムッツリなの……!?!?
「かなこちゃん…今、失礼な事を考えていたよね?」
「え…?と、とんでもない…!」
慌てて話題を変えようと私は、ダイゴさんに負けじと写真を取り出した。
「…でもダイゴさん!本当似合わなかったよね!」
写真屋さんにのせられて撮影した…、ロケット団のコスプレ姿。
「かなこちゃん…きみは……」
驚いて固まっているダイゴさんに、爆笑している私。
「ダイゴさん…っ、それ…っ!!やっぱりスーツの方が…っ!」
そんな私を睨みつけるように見ていたよね…そこまで笑う事ないだろ?って。