「かなこさん!改めて自己紹介します。あたしはシロナ。ポケモンの神話を調べてるの」
「へえ…!私はかなこ、ホウエン地方の、一応、チャンピオンにもなった事があって」
そう言うと聞いてるわ、って綺麗な笑顔。
「あの…ダイゴさんとは…」
「それよりどうかしら!この水着、良かったらかなこさんにあげたいんだけれど!」
…って!話聞いてない…!結局、シロナさんが持ってきたという水着を着させられて、そのうちの1着をもらう事に。
「うん…!かなこさんの雰囲気にぴったり!」
「ありがとうございます、そう言ってもらえると嬉しいです」
控えめに笑顔を返すと、ダイゴが待ってるわね!って、嬉しそうに言うシロナさん。どういう人かまだよくわからないけど、悪い人ではないみたい…?
「ボクのかなこちゃんなのに…、いつまで拘束しているんだ!」
面白くない…。なぜこんなところにボクが一人でいなければならないの…か。腹が立ったからかなこちゃんを連れ戻そうと二人が入っていった別荘の前まで行く。
「………!?」
思わず目を見開いてしまった。かなこちゃん…その格好……!どうしてそんなに寄っているの…!おかげで、周りの男たちの目線がきみに集中している…!ボクの空気がおかしいからか、慌ててこっちに駆け寄ってきた。
「…着て?これ」
サッと上着を脱いで、かなこちゃんに着てもらう。グイッと手を引いてコテージの中に入ると、申し訳なさそうに上着を返してくる。
「ダイゴさん…ごめんね?遅くなっちゃって」
「…そうじゃない、うん…それもあるんだけどね…」
こんなに心配するボクもおかしいのかもしれない…でもねかなこちゃん、あまり、外では着てほしくないな。