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「フフフ…知りたいかい?」
「う、うん…」
「特に、意識はしていなかったんだけどな…たぶん、他の人の前では、やっていないと思うよ」

…ん?無意識だったのあれ…?じゃあダイゴさんもしかして…、気づかないうちにナルシスト…だったりする…!?

「かなこちゃん…ボクはナルシストなんかじゃあないよ!」
「……っ」

うん、まあ…、色んな点で、頷けなくはないよねって…、また心読まれてる…!そしてダイゴさんの慌てっぷりが可愛くて、そっと身体を寄せた。

「かなこちゃん、今日はコテージで休もうか」

余韻に浸ってる私に現実の声が降ってくる。優しく手を取られると、案内される今宵の宿。きっと高かったんだろうな…。チャンピオンがそんなにもうかってるとは思わないから…、やっぱりこうして、いろんなところに連れてってもらえるのは、ダイゴさんが御曹司だからなんだよね。イケメンでお金持ちでチャンピオン…か。

「ずるいなあ…」
「何がずるいの?かなこちゃん」

……。そしてまた満面の笑みで見つめてくる…本当心臓に悪い。何でもないよ、そう誤魔化しても、そんなワケないよね?そう聞いてくるだけで。

「それよりダイゴさん…別荘持ってたくらいだから、高級な家に住んでてもいいのに、どうしてあの家なのかなあ、って」

違う話題を振ったからなのか、目をまんまるにしてこっちを見てくる…飽きないとか言われたけど、飽きてないのは私の方、だったりして。

「ふふ…そんな事を気にしていたの?ボクは別にね、すごい家に住みたいワケじゃなくて、何て言えばいいんだろうか…普通の暮らしというのも、悪くないかなと思ってね…」

そっか…、そういうのもあるんだ…。私には到底理解し得ない理由だけど、御曹司で、裕福な生活をしていたから幸せ、ってワケじゃないのかもね…。

「けど…かなこちゃんがあの家に満足していないと言うなら、引っ越しも考えるよ」
「そ…っ、そんなのいいから!私は、ダイゴさんが側にいてくれるだけでいいから…」

でも、優しいダイゴさんは、そんな冗談でも真に受けちゃうんだよね。それが嬉しくもあり、苦しくもあるなんて私…、ワガママだな…。


bkm
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