「ミクリ…きみはボクの事を、何て?」
フフッ、彼は美しい笑みを浮かべてある場所にボクの存在を伝えたんだと言う。今はまだ黙っておくけど…、ミクリは大概お節介だな、そう思う。
「きみならまだ、そういう場を求めていると思ってね…迷惑だったかい?」
「いや…よくわかっているよ、ボクの事」
そう返すと得意気な顔をした。それもまた無駄に綺麗だと思うボクはおかしいのかもしれない。かなこちゃんに対して綺麗だと思うのとはまた、ワケが違う。そして風呂に入りたまえ…勧められるがままに浴槽に足を踏み入れると。
「……!?」
湯船に一面の薔薇…!?全く、どういう趣味をしているんだ…!後々聞けば、ミクリのファンだというマダム(…そうとでも言っておこうか)がくれた物のようで、使い時がわからなくてね…なんて言う。
「けどボクには少し…刺激が強すぎたね…」
濃厚な香りと色彩に惑わされて少し、クラクラする。刺激そのままに渡されたものは……。翌日。かなこちゃんを迎えに行く前にボクは、あるやりとりを思い出していた。
「ダイゴさんの力になりたいんです!」
ユウキくんが2回目の挑戦に来た時。負けるなり彼は、こう言ったんだ。
「力に…?どういう事だい?ユウキくん」
そう聞いたけどボクは、本当はわかっていたんだ、ユウキくんはかなこちゃんが好きなんだという事を…。
「オレ…、かなこが好きなんだ。そりゃ、歳も離れてるし…けど、気づいたんです、あんだけまっすぐにポケモンと、人と向き合えるヤツって、なかなかいないから…」
「うん…そうだね…」
でも、そうつけ加えるとユウキくんはこう言う。