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「ダイゴ…。それではまるでわたしが負けたみたいだ」
「なかなか見ごたえのある勝負だった!」
「お見事ね、二人とも」
「あーあ、ダイゴさんいなくなっちゃうのかー!」

また来るよ、そう笑顔で答えるダイゴさんはやっぱり寂しそうで。

「ふふ…でもボクがここ、ホウエンでは一番強くてすごいんだって事、忘れないでほしいな?」
「そのセリフいつまで言うんだよ!まあ、色々楽しかったぜ?ダイゴ」
「うん、ありがとう!カゲツ。みんなも、ありがとう」

深々と頭を下げるダイゴさん、何か、新鮮かも…!最後にここを頼む、そうミクリさんに言い残してダイゴさんのチャンピオンの務めは、終わりを迎えたの…。


「ダイゴさん…寂しいの?」

帰るなりかなこちゃんはボクにそう問うんだ。寂しい?そうだね…けど、何だろう…肩の荷が降りたような、そんな気もしているんだ。

「うん…そうかもしれないな。でもかなこちゃん、ボクはバトルハウスできみと、これからも戦っていければいい…「二人で、勝負しよう?これからもずっと!お互いのポケモンが、これ以上レベルが上がらないくらいまで!」

ふふ…かなこちゃんは本当にいい子。こんなボクにはもったいないくらいのね…。少しだけ肩に顔を埋めると、愛しそうに背中を撫でてくれる。

「でもダイゴさん、あのときのキスはちょっと、嫌だったな」
「フフフ…知っているよかなこちゃん。わざとやったんだ」

かなこちゃんの質問にそう返すと、あからさまに嫌そうな顔を向けてくる。そんなに嫌だったのかい?そう聞けば恥ずかしい…それしか言わない。

「きみが全力で応援してくれていたから、ボクも答えなくちゃ、そう、思ってね」
「…もう!あんな人前で…。カゲツさんからは見せつけるなよ!って連絡は来るし…」

本当は、相変わらず人気のあるかなこちゃんがボクだけのモノだって伝えたかったんだけど、そう上手くはいかないな。互いに隠すように首元につけた指輪をいつ手にはめようか…そればかり考えていた。


bkm
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