『おいかなこ!今からリーグに来れるか?ダイゴの野郎…、オレらに黙ってチャンピオンを退こうとしてるみたいでな…!』
電話越しでもかなり焦ってるのが伝わってくる。ユウキくんに断りの電話を入れて急いでラティアスとサイユウに向かうと、始まりの鐘が鳴ろうとしているところだった。
「やあ、かなこちゃん。きみも来てくれたんだね」
「かなこちゃん……?」
私に気づくと大歓迎のミクリさんに対してどうしてここへ?という様子のダイゴさん。カゲツさんがサッと横に座ると、二人は真剣な眼差しを向けた。
「さあ、始めようか、ミクリ」
「…フフッ、そうだな。しかし、これだけ観客がいるなら、わたしは何としても、勝たなければならないな」
しっかりと握手を交わすと、このリーグで最高峰の試合が始まったの…。
「メレシー、ムーンフォース!」「ナマズン、だくりゅう!」
途中まではダイゴさんのペースで進んでたのに、気づけばミクリさんが優位に立ってる…それに動揺したのか一瞬だけ、ダイゴさんが切なげに微笑んだ気がした。
「メタグロス、メガシンカ!」
そのかけ声と共に放たれた光は一際素敵だったけど、それ以上に二人のバトルは白熱してる…!
「くっ…強くなったね、ミクリ」
「フフッ、わたしを甘く見てもらっては困るな。ルンパッパ、れいとうビーム!」
「メタグロス、ギガインパクト!」
2匹の技がぶつかるといよいよ、試合は佳境を迎えた。
「メタグロス、ギガインパクト!」「ミロカロス、ハイドロポンプ!」
……っ!!まるでめまいがしたかのようにフラッと揺れた身体をカゲツさんが支えてくれた。
「ありがとう、ミクリ。いい勝負だったよ」
「はは、そうだな。こちらこそきみから勝利を勝ち取れた事、礼を言うよ」
固く握手を交わすと、いたたまれなくなった私は、ダイゴさんの胸に飛び込んだ。
「ダイゴさん…!」
「…おっと!」
「……っ!?!?」
…っ、いきなり何するの…!驚く私にみんなは、こんな反応をしてる。