「このマツブサ…、とんだ伝え間違いをしていたようだ」
そうマツブサさんから連絡があった。何だろうと思って待ち合わせ場所の、120番道路に来ている。
「まだかな…」
珍しいな、マツブサさんが人を待たせるなんて。私は別に気にしないけど、何かあったんじゃないかって、心配になってしまう。
「…かなこちゃん!」
「え?」
どこから声がするの!?慌てて周囲を見渡したら、ちょっと離れた場所に、マグマ団の赤が見えた。カイオーガにお願いして洞窟の前まで行くと、すまない、そう一言マツブサさんが謝ってくる。
「どうして謝るんですか?マツブサさん」
「いや…。わざわざキミに足を運んでもらったはいいが…」
ん?何だろう…歯切れが悪いみたい。とりあえず思った事をちゃんと伝えてもらうと、私の頭でも何とか理解できた。
「グラードン、どこにいるんでしょうね…でも、もしかしたら何か、わかるかもしれませんよ!行ってみましょうよ!」
本当はあんまり洞窟は好きじゃないんだけど、一人じゃないし!そう思って、マツブサさんと中に足を踏み入れた。
「暗いな…足元に気をつけるのだ、かなこちゃん」
「あ、はい…」
私が先に行こう、そう言ってくれたマツブサさんの後ろをついていく。少しして、地下に降りる階段にたどり着いた。
「何もいないですね…って!きゃっ!」
な…、なに……!?!?急にヌメッとした感触が…!咄嗟にマツブサさんの腕にすがりつくと、途端に慌て出す。
「かなこちゃん…!?ど、どうかしたのか?」
「あ、その…、何か変なものが私の肩に…」
…も、もしかして、ポケモンのフン…!?!?騒ぎ出す私をしばらく黙って見ていたマツブサさんは、ふわりと私の手を取り、地上まで連れていってくれた。