「ん…」
起きると向こうのベッドでタブレット片手に何やらやっているダイゴさん。…お仕事かな?邪魔しないようにそっと起き上がると、優しい笑顔を向けてくれる。
「少し、外に出ようか」
「?うん…」
そんなに流星の滝が好きなのかな?どうせまた、石でも探しに行くんだなって、ちょっとげんなりしてたら、ここなら誰にも邪魔されないよ、って。
「かなこちゃん、きみは覚えているかい?」
「え?何を?」
「石の洞窟で、初めてきみと目が合った時の胸の高鳴り…、今でも時々思い出すんだ」
初めてダイゴさんと出会った時…。それから何度も何度もドキドキして、ワクワクして、悲しくなって…、たくさんの気持ちが駆け巡った。
「きみがポケモンリーグに挑戦しに来たと聞いた時は…いつになくそわそわしていたんだ…」
…、そう、だったんだ…。あの時、私がホウエンリーグに挑戦した時、お兄さんが話していたのは、ダイゴさんだっだんだ…。きっと、いつも落ち着いてるから、よっぽど珍しかったんだろうね(特にカゲツさんとかはね)…。
「アクア団と対決した時に一緒に戦って、カクレオンを見つけた時も見させてもらったけど…、ポケモンの事を大切に思っているのが伝わってくる、いいトレーナーだと思ったんだ。だから、そんな純粋なきみと、ホンキの対決がしたくてね……」
……!?そう言って取り出したのは、6個のモンスターボール。全て同じ柄で統一されているけど…、彼の手の中のそれは、一際強そうなオーラを放ってて。