「ダイゴさん、お願いがあるの」
お金はある…んだけど。実は選んで欲しくて…。せっかく結婚するのに、ちょっとは背伸びしてみたくて私たちは、こんなところに来ている。…ダイゴさんはというと。よっぽど恥ずかしいみたい…、辺りをキョロキョロしてるという珍しい姿を見る事ができた。
「かなこちゃん…まさかボクに、きみの下着を選べというのかい?」
終いには目を丸くしてこう聞いてきた。もちろん、周りの女子たちはキャーキャー言ったり変な目で見たり、色々。
「ちょっと…、選べないのがあって」
なるべく奥の方に連れていくけど、試着室の近くは嫌みたい、私の後ろにピタリとくっついてくる。
「ボクは、かなこちゃんが着ているなら、何でもいいんだ。どれも素敵に見えるよ」
そして、狙ってもいないのにこんな事を言う。目当ての下着売り場に着いて、早速見てもらおうとするけど。
「……!?!?」
え…?そ、そっちは違うから…!私が自分のサイズを持ってくる間にダイゴさんは、隣のセクシーな下着のコーナーを見て、驚いてる…。慌ててダイゴさんの腕を引くと、着てみてよ、なんて悪戯っ子のように言う。
「…な、何言ってるの…!あんな恥ずかしい下着、さすがに着れない…!」
「うん、でも…外で着られたら困るな…かなこちゃんの大事な部分が他の男に見え…」
……!!変な事言い始めたから、強制退場させた。結局、選べなくてダイゴさんが2つとも出してくれた。かなこちゃんはこのサイズか…とか恥ずかしげもなくレジの前で呟きながら。
「…もう!ダイゴさん、何でそんな事言うの!」
おかげで私は顔が熱い…!世間を知らなすぎて、一緒に買い物に来た事を後悔した。服売り場でも、これはダメとかうるさかったな。つき合う前は短い丈のワンピースも買ってくれたのに。