「え…?」
「…できるよボクにだって」
「…っ!!」
突然、長くて綺麗な右腕にグッと抱き寄せられたかと思ったら、顎に添えられる左手。身体はちょっとだけ宙に浮いてる気もする。細いのに程よくついた筋肉が…、私の身体を支えている。
「…んっ!ふぅ…っ」
身動きなんて取れない。不意打ちの笑顔も憎めないくらい好き。絡めとる舌は激しさを増すけど、ちょうどいいところで解放してくれる。
「ふふ…驚いた?かなこちゃん」
「………」
ペタンと床に座りこんだ。身体に力は入らない。まるで魔法にかかってしまったかのようにダイゴさんしか、見えない気がして……。
「これから、もしきみが男に対して隙を作ったなら…こうしておしおきでもしようか」
「…っ、ダメ!そんなの!私が耐えられない!」
真っ赤になってそう言うと、じゃなきゃおしおきにならないよ?って不敵な笑み。ずるいよいつからそんなに…、意地悪になったの…?逃げたくなって逃げれない。それだけ私は…、ずるくて意地悪で、それでいて優しいダイゴさんに、夢中になっているの…。
「かなこちゃん…」
いつものように、二人並んでベッドに入る。気づけば彼女はすやすやと眠ってしまっている…ボクは。なぜか今日は目が冴えてしまって眠れない。…昼間のせいだろうか。久しぶりに…、嫉妬なんて気持ち、感じたかもしれないな。
「ぅん…」
かなこちゃんがこちらに寝返りをうってくる…そんな無防備な姿も可愛い。おかげで明日の仕事も、頑張れる気がした。