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「さ、サイテー!」
「…ってぇ!さすがだな、かなこ」

…もう!結構いい音立てて引っばたいたのに、全然反省してない!やっと解放されたかと思ったらひょい、って肩に担がれちゃう…!

「きゃー!降ろしてください!」
「…気が変わった!」
「えー?」
「今アジトにゃ誰もいねえ、つまりだ…、テメェといい事するのに邪魔するヤツはいねえって事よ」

……っ!!!!私に何する気…!必死にバタバタしてもがっしり抱えられてて動けないし…。そうこうしてたら、どこから見てたんだろうか…ダイゴさんが大きな声で引き止めてくる。

「アクア団…かなこちゃんを帰してもらおうか!」

それを聞いてせっかくの楽しみがなぁ、とか言いながら乱暴に私を降ろしてくる。ほら行けよ、そう言うアオギリさんは、冗談キツいけど、悪い人じゃないんだよね…。

「ああ、そうだ。チャンピオンよぉ、別にオレは、テメェに咎められるようなこたァ、何もしてねえよ」

ひらひらと手を振りながらアジトに入っていくアオギリさん。ごめんなさい…去り行く背中に心の中でそう謝るも、めちゃくちゃ不機嫌なダイゴさんに強制的にエアームドに乗せられて、家に帰る。着くなりダイゴさんは、真面目な顔を向けてくる。

「かなこちゃん…ダメだよ。あの靴がお気に入りなのはわかる…けどねあんな風に、男に抱きかかえられている姿、ボクが見たいとでも思うの…?」
「…っ、ごめんなさい…」

そんな真剣に言われたら…、ふざけてましたなんて言えないじゃない…。それが嬉しくてダイゴさんに抱きつこうとしたら、制された。


bkm
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