「ふふ…きみが鋼タイプのポケモンに興味を持ったと言っていたからね…」
「…」
そんな事言った?私。確かに、ココドラもメタグロスも気に入ってるけど…というか、鋼タイプ…ではないよね!?そう言い返したら、ボクのポケモンに興味があるという事だよね?なんていいように解釈してる…はあ。
「一緒に…育ててくれたら嬉しいんだけどな…」
終いには拗ねてくるから…、仕方なくうんって頷くしかなくなる。そして計算されていないところがまた、腹が立つポイント…だったりする。
“駆け引きとか、そんなものは得意じゃないよ…ポケモン勝負以外は”
前にそう言ってたもんね(チャンピオン戦はゴリ押しだよとは言えないけど)。女子にモテるのだって、計算しているワケじゃなくて、自然に…だからね?そして私に対しては…、駆け引きなんかじゃなく純粋に、好きになってもらいたかったんだ…って。
「かなこちゃん…?聞いているかい…?」
「…え!?なに!?」
きっと熱弁してたんだろうね…いつかの時みたいに。正直そこだけは一生理解できないと思うけど!それでもまあ…珍しいポケモンだから、タダでもらえるのは、願ってもない事だよね。
「…ありがとう、ダイゴさん」
ダイゴさんにもう1匹のポケモンのタマゴをもらえる事になったから、ツメの化石にしよう。沈んでいくねっこの化石を見送ると、こっちに来て?と手招きされる。
「ここは……」
砂嵐の先に見えたのは。何とも言えない、謎めいた洞穴。
「シンオウでキッサキ神殿に行ったよね?」
「うん」
「ホウエンには、こんな言い伝えがあるんだ……」
そう話してくれたダイゴさんの瞳は、すごく神秘的で…、それがまた魅力的だった。