「……」
隣にいるはずの温もりが感じられなくて起き上がると、椅子に座りながらボーッとしているダイゴさん。何をそんなに真剣に悩んでいるんだろう…そう思って顔を覗き込んだら、一瞬ハッとしたけど、すぐに笑顔を向けてくれた。
「具合はどうだい?」
大丈夫、そう答えると、こんな質問が飛んできた。
「…そうだかなこちゃん!少し、ボクにつき合ってくれないかな」
……。きみと勝負がしたいんだ、そう言うから、てっきりチャンピオンルームかと思ったのに、なぜかダイゴさんは私を流星の滝の近くの広場に案内してくれた。今日は風が強いみたい…、時折なびくスーツがまた素敵で、悔しくなる。
「ふふ…見とれている場合じゃないよ、かなこちゃん。良かったら、きみのメタグロスでこのコの相手をしてくれないかい?」
……っ!あの時のフォレトス……!ダイゴさんもしかして…、私を試してる…?そんな風にも思った。
「…もちろん!受けて立ちます!」
ここで負けるワケにはいかないよ、全力で戦わなきゃ…!とはいえ、フォレトスは防御も高ければ、メタグロスの技構成からして、相性は良くない。だけど何とかゴリ押しさせてもらうとダイゴさんは、穏やかな笑みを浮かべた。
「うん…悪くないね、さすがだよ。…でもね」
“きみならもっとメタグロスを使いこなせるはずだ”
…っ。なんて耳元で言う…いちいちドキドキさせてくるのは今でも変わらない。でも、最近行ってないけど、バトルハウスで戦う時のダイゴさんのメタグロスの強さは異常…本当にそう思う。