「カゲツさん…」
「……っ!?オイ、何すんだよかなこ!!」

ふふ…！耳は弱いのは、みんな共通なんだ…！息を吹きかけただけで慌ててるカゲツさん…、何だか新鮮。

「かなこ…？寝たのか…？」

静かになったから突然、カゲツさんがそう聞いてくる。でも本当に、揺れが心地よくて、寝てしまいそう……。

「……だろ？かなこ」
「………っ!!!!」

な……っ、何言い出すのカゲツさん……!!そしてどうしてこのタイミングでダイゴさんが現れるの…!?きみは無防備すぎるよ、帰ってきて早々叱られて家に到着。

「かなこちゃん…ただいま」
「おかえり…なさい…ダイゴさん」

見つめ合う視線が怖い…そう思ってたら、ふわりといつかのようにいい香りがする。

「会いたかった……」
「……っ！わ、私も……！」

抱きしめる力があまりにもちょうど良くて、身を委ねてしまいそう。そんな私とは裏腹にさあ、寝ようかというダイゴさんはたぶん…、長旅で疲れてるんだと思う。

「かなこちゃん…カゲツに何て言われたの？どうせまた変な事を吹き込んだんだろうけどね…」

同じ布団に入って、しばらく黙って寄り添ってたら、やっぱり気にしてるダイゴさんがそう聞いてくる。レーダーでもついてるのかな？最近はそうも思えてきた。

“…なあ、このままオレの家にでも行くか？”
“え……？”
“わざと胸を押しつけて…、欲求不満なんだろ？かなこ”

欲求不満…？そんなワケ…。それじゃまるで、私が求めてるみたいじゃない、もう。あ…、急に眠気が襲ってくる……