「それよりもアンタ、ウシオと何かあったのかい?」
「…え?どういう事ですか?」
聞けば、ウシオさんはいつも変だけど(失礼だよね)、時々私の事を思い出しては、オレっちの愛したアイツは何してるんだ、的な感じにぼやいているみたい…何かしたかな?
「たぶん…、私に負けて強いなー、みたいな感じなんじゃないですか?」
「そうかい?どうもアタシには、アンタに興味があるように思えるんだけどねえ…」
その言い方は妙に意味深だったな…。それから、イズミさんとちょっと話して、また会う約束をした。ウシオさんにもしばらく会ってないから、またアジトにお邪魔させてもらう、そんな感じで。
「チャンピオンかなこ!わたしの頼みを聞いてくれないか!」
テンション高いなあ、この人…。朝からマルチナビが鳴ってるな、そう思ったら、相手はミクリさんだった。しかも空の柱で待っているよ、なんて言うもんだから、あの日の事を思い出してしまう。世界を救って、気を失って、それから……。
「ごめんなさい!お待たせしました!」
「フフッ、慌てる事はないよ。わたしが早く来すぎてしまったのだからね」
何だろう、妙に笑顔だな…また、ダイゴさんに何か吹き込んだのかな、とか勘ぐっちゃう。
「言っておくけどかなこちゃん、わたしは別に企みなど考えてはいないよ、安心したまえ。…それはさておき」
「……。もちろん、受けてたちますよ!」
キリッと目つきが変わる。…恐ろしいほど美しい。可憐で、同時に強さを宿したその瞳から伝わってくる…熱い想い。