69
「スーツだけど、いいんですか?」

そう聞くと上着を脱いで腕まくり…ホンキっぷりが全然違う。石を探すなら洞窟くらいがちょうどいいんだ、なんて言いながら。

「隕石のかけらならたくさんあるんだけどな…」
「大変なんですね、石探しって。化石を掘るのも一苦労だったけど…」

でも、不思議。こないだはそんな事思わなかったけど、汗をかきながらひたすら探し回るのも何か…、楽しい気がしてきた!

「…って!」
「ん?何かあった!?かなこちゃん!」

…ハッ!大きい声出しちゃったから、驚いたダイゴさんが駆け寄ってくる…!話したら、これは完全に喜ばせちゃったな…見たこともない笑顔とテンション!

「…良かった!きみに石探しの楽しさが伝わったんだね!うん…これからは、二人で探すのも悪くないね!」

そんな様子が微笑ましいと思ってる最近の私は、色々と重症だと思う。でも、許しちゃうんだよ…、この笑顔を見ると。


「やった!ありがとう!」

アクア団の特訓を終えて。いつもセクハラしてくるアオギリさんのリーダーっぷりが伺えて、満足しながら歩いていたら、トレーナーさんと勝負する事に。そこで、ダイゴさんからもらったココドラが、ボスゴドラに進化した!嬉しくてぎゅっと大きな身体を抱きしめたら、抱きしめ返してくれた…!

「…何だか妬けるな」

そして、いつの間に迎えに来てたのか、ダイゴさんがそんな事を言う。このコ、♂だからね…って、複雑そう?

「でも、それを言うならダイゴさんだって、ダンバルとか、メタグロスの腕?に抱きついたりとか……」

そう言い返すと、さすがに♀のコにはできないよ、とかよくわからない。人間相手じゃないのに、そんなに嫉妬するところなのかな…?

「え……?」

さあ、寝ようという時に。ダイゴさんは、いきなり私をギューッと抱きしめてきた。それが何か不思議だったから聞いてみたら、こんな答えが…。

「うん!ダンバルの抱き心地も悪くないけど、かなこちゃんのこの、ふわふわした感じも捨てがたい…」

……。ショーケースに飾られた石を眺めながらダイゴさんは言う。いつもよくわからないけど、爽やかな笑顔で、だからボクから離れないで?なんて言われたら…、頷くしかない。

「離れませんよ、もう」

穏やかな毎日。本当に…、ホウエンに平和が戻って、良かったと思う。


bkm
prev next
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -