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「…っ!?ダイゴさん!ダイゴさん…!」

少しして視界が明るくなると。そこにはぐったりとしたダイゴさんがいて…。もしかしたらダイゴさん、私を雪崩からかばって、勢いで吹っ飛ばされた何かが…、身体にぶつかったのかもしれない…!何とかダイゴさんを起こして、肩に腕を回させる。やっとの思いで洞窟の中に入り、ダイゴさんの身体を横たえようとしたら。

「…っ!?」

いきなり地面に押し倒されて…、いつかの時に見たような、鋭い瞳で私に迫ってくるダイゴさん…。

「ダイゴさ…んんっ!ちょっ…!ふう…っ」

舌を絡め取られ、呼吸もままならない。そしてあろう事かその手は…、服の中に滑り込んでくる。

「…っ!やめてダイゴさん!どうしちゃったの……?」

怖いよ…素直にそう思った。ダイゴさんとつき合ってから、何度か唇も身体も重ねてる、でも…、こんな無理やり求められるの、初めてで……。

「…好きだよかなこちゃん。ボクは……」

倒れてきたダイゴさんの額はひどく熱くて…、私は確信した。熱のせいで、おかしくなってしまったんだと。しばらくしてここに入り浸ってる?というレッドさんに助けられて山を降りると、すぐさまポケモンセンターで診てもらう。幸い、背中の打撲は大したことはないみたい…解熱剤も飲んで、安静にしていれば大丈夫です、って。

「…っ、私のせいで…っ」

私が無理やりダイゴさんを止めていれば…。元はと言うと、私が熱を出していたのに、それが移っちゃったんじゃ……!?

「……っ!!」

ヤバい…、噂?は本当だったんだ、私、その、あの時……。真っ赤になる顔を押さえながら、私はダイゴさんが目覚めるのを待っていた(私の打撲も大した事はなかった)。


bkm
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