「…っ!?かなこちゃん……!?」
「え……っ!!」
頭がクラクラする…そして気づいたら、ソファに座っていたダイゴさんを押し倒してるような格好に…!慌てて離れようとすると、顔を赤くしたダイゴさんに、グッと引き寄せられる。
「逃げるなよ…かなこちゃん…」
「……っ!!」
もうダメ…!わかったこれ…、熱があるんだ…!だからお願い、離れてダイゴさん…。
「…んっ!はあ…っ」
なに…、してるの…。離れようにも、しっかり身体を抱きしめられて、離れられない…。
「ダイゴさん……」
「…っ!かなこちゃん!」
いきなりパッと起き上がるとダイゴさんは、私のおでこに手を当てる。やはり…と呟くと、ここで待ってて、と部屋の外に消えていく。
「寂しい…」
寒い…じゃないよ、寂しい…どうして……?ダイゴさんが戻ってくるまでのわずかな間、得体の知れない恐怖が、私を襲った。
「…はい。これを頭に乗せて、横になって?」
その優しい言葉にコクンと頷くと、広いベッドに横になる。何で今日に限って、ダブルベッドなんだろ…。離れて行こうとするダイゴさんの手を、咄嗟に掴んだ。
「かなこちゃん…今日は甘えたい日なのかい?」
「うん……」
「…安心して?きみが眠るまで、ボクはここにいるよ」
…っ。わかってる、私のワガママ…。そんな風に優しくされたらもう…、離れられないじゃない…。
「きみの涙を見るのは…、3度目かな…?それもボクが原因の…」
慌てて首を振る。違う、違うよ、そうじゃないの…。あれもこれも、私が勝手に…。
「…でもねかなこちゃん。ボクは嬉しいよ?きみがボクの前だけでは、弱いところも見せてくれるから…」
…っ!横に座っているダイゴさんに顔をすり寄せる。ポケモンみたい、私…。ダイゴさんの事が、どうしようもなく好きなの……