「うーーん」
寒気がする……。いつもより遅く起きてきた事に心配そうな目を向けてくれる人__ダイゴさん。大丈夫?そう聞かれたけど、せっかくの休暇(きっと無理やり取ってきたんだろうけど)を無駄にしたくなくて、笑顔を返した。
「…何かあったら、すぐ言いなよ?きみはどうも、無理する傾向があるみたいだからね…酒の時みたいに」
「…はい、すいません…」
それは何度言われても耳が痛いです…。でも未だにミクリさんの件、根に持ってるのかな?しつこいな、ダイゴさん。しばらく付近を散歩して、どこに行こうかな…そう思ってたら。
「シロガネ山…」
お手洗いに行くって言ったダイゴさんを待ってる時に、見つけた。前にダイゴさんが、スリバチ山を勧めてくれた時は断っちゃったけど、少しだけ…彼の趣味に触れてみようかな、何となくそう思った。
「せっかくだからかなこちゃん…森を散歩しようか」
その方が気分も良くなるよ、って私の事を考えてくれる。本当にこの人、優しいよね…だから他の人が勘違いしちゃわないか、心配なんだよ私は(特にツツジさんとか)…。
「…っ、きゃー!」
ポケモンは悪いコじゃないってわかってるのに…、やっぱり虫タイプは苦手…!楽しそうに先を歩くダイゴさんの服の裾を掴むと、可愛いよ、とか言ってくる。
「…もう!こっちは必死なのに…!」
完全に私の反応見て楽しんでる…!さっきいい人って思ったの、撤回しますから!そんなこんなでトキワシティに着いて、トライアルハウスを見学したりして、ひと休み。
「ふう…結構歩いたな」
「思ったより広かったです……」
二人してベッドに横になった…けどこのままじゃ寝ちゃう気がして、先にお風呂に入ったんだけど。
「…っ」
一瞬、グラリと身体が傾いた。やっぱり風邪でも引いたのかな?私。