失ったと思うのは簡単だろうね
杖や箒や帽子が魔法といっしょにいなくならなくてよかったね。もしかしたら魔法はいまもどこかで起こしてもらうのを待っているのかも。

ようやくの鬣の真価
沖と果てではどちらが掴みやすいだろう
だって助かりたかったんだもん
逆光だったよ
真っ黒のページは必要さ
ぼくは雨を三日降らすのでお手上げ
意味がつくのはあとからでいいよ
あのときの雨の名残り
サイに逃げられた!

わたしの元を去るときは、やさしい言葉を残してほしい。いつまでも覚えていたくないから。

ホログラムと罪
騒音が泳いで跳ねる夜
このゆびきりは本当
夢の中だけ伝わる言葉
ふたたぶ君の光
さようならの意味は永遠
硝子を昇る砂
おいしくなりなよ
どうか寂しく
単四じゃ動かない恋
ドキドキしてみて
夜と朝のあいだの透明
好きと思ったそのときに
愛を感じた瞬間に

知らなかったかい
二人はとっくに自由になったよ
忘れたことはないって言ったろ
鎖などないように振る舞う君
愛を告げるように、危険を知らせるように
そうでもしないと僕を攫えないみたいに
たとえばふとした時に君のことを思い出しはしないだろう。だけど忘れることもないだろう。
/dis aster

火星商店
彗星泥棒と壊れたかぎ針
星は実か種か
地上のほつれ
星を削って作った針
月蝕のはじまりを歌う犬
逃げ水を追うための犬
恐れる限りの安全
分かってる、大丈夫、愛してる
寝心地の良い絨毯
星釣り人と過ごす夜

なにをぼんやりしているのです
あなたが作った物語です
責任を持ってぶっ壊さなくては
/ダメだ

伝わる神話でひとつ嘘をついた
古の湖を訪れるゾウ
豊かな土地に伝わる魔法
ビンのふたはよく勝手にどっか行く
愛してしまったと泣くくらいなら
プレパラートの上の一脚の椅子
地球儀まわすよ神さま気分で
夜を跨ぐきみ今日はもう会えない
百年後には百年前のものになる宝物
熱帯魚による尾ビレ論争
ぼくたちは弛みなく続く運命
ぜんまい仕掛けのデネボラ

第六話より
いま、ベッドの上で翼をたたんでいるきみ
誰かを憎いと思う心を、いまこの時だけ罪として
わたしはあなたに心酔している
隣の教室に犬を放つ
/塔の上から薔薇を降らせて

船は確かに旅立った
うっすらと四艘(よんそう)
海より豊かに
/海底へ

角ばったフォントで歌うな
ピクニック・オーケイ
うたた音
ふやふやの指環がぴったり合う手に
あやふやな電話が鳴いている
ビーズのお城
夜ごとパリパリ
だめだよだいすき
透明で作る影/遠目で見る影
声を遮った風の正体
昨日天使を引き取った
金平糖すら半分に割って
傷付いた星に息を吹き込む

わたしたちはこころの音を四つまで数えて、残った指で約束を結びました。

またたく場に
今しがたのよろこびに
ヘンリーはよく分からないやつ
本の在り処はロバートが知ってる
「どうとく」を漢字で教わるようになってから
あこがれが核(core)
届いた手紙の切手を数える
もすこしここで待ってるね
昨日のぼくが秘密を作ろうと誘う
ねずみと数学者
名前を知らない花だから
春の天秤
童話の中の蝉

ごめんねも反転する
あなたと出会う前の記憶がない
飽きずに何度も繰り返す。もうやめなってきみが言うまで。
ハンコみたいな恋したいですね。ハンコみたいにはいきませんけど。
/ここ擦れてる

だめだきみはぜんぜんだめだ
このままですか
愛の告白をしています
秘密のねこ
名前をつけて欲しい国
間違っても覚えたくない味
頼りないぼくですが
砂と獏
いちばん光った月の模型
この日のための潮の満ち引き
正義のためにきみに降りかかるいくつか
薄明かりの読書
魔女が世界をゆるすとき

なんかまるいやつ
背すじと分度器
四角いほころび
三角の祈り
/がんばりマス

そのへんはまだちょっと
キスしたくなるほどかわいい
なあたのむよ
さよならの堅さに勝てるかな
羽がある人と羽がない人
ランダムヒーロー
吸って吐いてがやめられないのは
夏をカプセルに閉じ込めたい
頬にくっつく

金のたてがみが頬をけずる
不正解だらけの地図を持って
食べかけの皿上で団欒
ひと晩かけてみじん切り
きみが幕を切り落とすのだ
カレンダーの空白にらくがき
一歩ずつひらいていく
骨の白さをたしかめる術
白亜を背にして
光差す位置を決めて
くちびるの幽かできみへ伝える
雲を透かす魔法があったら
地球がこの大きさでよかった
荒野を過ぎれば星はきれい
あたためたら咲いてしまうかもしれない
ミラーハウスの消えないきみへ
クリオネが降ってくる
かぼそい光で聖書を音読
悪魔の尻尾をつかみしめて
毛布の次に好きだよ
ひんやりおばけと夢食い競走
こころにひとつだけ点を加えるとしたら
ひび割れたところから光がこぼれる
おや神さまは帰っちゃったの
ひなたか花束かはたいした違いじゃない
リボンに絡まる恋色サンゴ
はぐれた雨もいっしょに溜まろう
まぼろしが明く
知らんあいだに逃げよって
泡の位置で自分が水底にいると知った
その空白には祈りの色を塗るべきだ
澄みやすい場所
天使ととりひきしたんでしょ

ポラリスも誰かを捜している
影を見れば夏だと分かるさ
ガラスのコップでミルクを飲みたい
満たない永遠
未来が自らやって来るみたいに

音楽に愛された子
左手にバイエル
かたむきのオペラ
ラララ・サヨナラ
オヤスミ・ソナタ・エレクトロニカ
/ミュージック

星と星を繋いだあのあやふやなところ
たのしい文学の曲線
冬の終わりに思い出してください
あなたは絵になる
やさしくないと教えてほしい
月ですもんね
ガラス玉だと思ったら大間違い
愛じゃないかもしれないからって
シーラカンスを浴槽で飼うには
春が醒めちゃう
食べさしの金木犀
神様に謙遜
星のふりして降ってこないで
鍵を掛けてから扉を開ける

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