01
木洩れ日のいちばん深いところ
きみの頬に触れた手で月を指差す
いちばん熱い宝石を握る
火と同じように消えていい
結んでひらいて逃げてくひかり


02
外套も着ないでどこへゆくのさ
むかしむかしに滅んだ国のうたが歌える
奇跡を譲ってあげてもいい
硝子がくちづけをねだっても
温度欲しさに近づかないでね


03
あなたの崇高さでは死なない
焦げついた両手で鳥を放つ
色彩を満たさぬうつわ
今欲しいものがここにある
ついにはだれも知らない言葉になる


04
おまえが愚かにも誰かを獣と呼ばわるとき
神の心を知り得てしまった
光集めのアルボス(albos=木)


05
傘を持つ者だけが知る熱り
濁音がこんなにも愛しく響く名前
もう中庭に鳩は来ない
あとは愛だけと簡単に言ってくれる
さて対岸は燃えているか

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