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01 : SF




 次の日の放課後、面談期間で授業は午前授業。

 鯉登くんと面談後に会う約束をして、私は1人、教室の前で兄貴を待っていた。

 面談の時間まであと5分。
 前の人が教室で面談しているのを見ながら、いつ終わるのかヒヤヒヤしていた。

(おっそいなあ…もう……)

 携帯からメッセージを知らせる着信が鳴る。

 すかさず確認すると、兄貴からだった。


[今学校。教室は?]


(おっそい!)


[入ってすぐの校舎3階、右側の廊下]


 メッセージを打っている間に、教室の引き戸が開き、前の人が帰って行った。
 次は私の番だ。

 教室まで見送りしていた担任が私を見る。



「飛鳥、両親は?」

「今下にいるらしいんで、もうちょっとで来ます。あと、ウチは両親じゃなくて………」



「どうも、遅れました」



「あ、来た」



 てっきり私服で来ると思ったのに、なぜかスーツを着ている。

 このせいで遅れたんだろうか。



「来ました。これがウチの……」



 兄貴です。
 そう言おうとした瞬間……



「ああ、よくいらっしゃいました。どうぞ教室へお入りください」



 担任に言葉を遮られ、内心で小さく舌打ちをする。

 兄貴の関係を言ういいタイミングだったのに。


 百にいは私の父親に間違われるのを嫌う。
 めちゃくちゃに嫌がる。

 間違われた日には、かなり機嫌が悪くなりめんどくさくなる。

 兄貴的には「そんな歳じゃない」って事にこだわっているみたいだ。

 まあ、実際その通り、大きな子供がいるような歳にも見えないし、そんな歳でもないし、間違われるのはほとんどないから大丈夫だろうけど……。





「それで……飛鳥さんのお父様でよろしかったでしょうか?」




(バカ教師………!)



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