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お昼ごはんの時間になり、はちくんに今日は何が食べたいか尋ねると、元気よく「オムライス!!」と答えてくれた。私もそれに答えて「らじゃ!!頑張って作ります!」と敬礼した、最近我が家はやけにテンションが高い。これもはちくん…っていうか子供効果なのかもしれないけど、元気いっぱいのはちくんを見ていると私まで元気になってくるから生活環境って結構影響強いのだと実感する。



冷蔵庫を開けて、あたかも今気付きましたと頭に手を当てる。
しかし、これも作戦の内。はちくんが何を食べたいと言っても大体の食品は家の冷蔵庫は品切れ状態にしておいた。



『しまったー卵が無いからオムライス出来ないやー』

「そっかぁ…じゃぁ焼きそばは?」




違う!


私はそういう流れを求めているのではないのだよ、はちくん。


聞き分けの良い子だけど、そこはオムライスって押してくれなくちゃ…




『うーん、私もオムライス食べたいし…はちくん卵買ってきてくれないかな?』

「え!はちが?」

『私しないといけないことがあって、はちくんひとりで大丈夫かな?』



しないといけないことっていうのは、はちくんの成長記録を残すことなんだけどね。
ちょっと不安そうな顔をしながらも、「がんばる」と言ってくれた。


よしっ!これではちくんがおつかいに行く事は決定した。
はちくんにセーラー服とおそろいの帽子を被せて、斜めにバックを掛けて準備は完成です。財布の中に五百円玉を入れてあげて、残りは好きなお菓子を買っていいからねと伝えて送り出した。




しかし、今からが忙しい。


一人ではちくんに見つからないようにカメラマンも勤めて、さらにはちくんの安全も守らないといけないから結構ハードスケジュールだ。それにこの暑い中サングラスにマスク着けて帽子も深く被っているからはたから見たら変質者にしか見えないかもしれない。





*****





歩き出すはちくんの少し後ろにぴたっと張り付いて、カメラを回す。
今のところ順調に目的地までの道を歩いているけど…
大丈夫かな、なんか私の方がドキドキする。


迷子にならないかとか、変な人に連れて行かれないかとか心配しちゃうのはきっと親心なのだろう。でもこれははちくんの成長に欠かせないものなんだよね、あ、でも「名前うざい」なんて言う反抗期になったら私泣いちゃうよ。成長して欲しいようなこのままの純粋なはちくんでいてほしいような…うん、子供を育てるのって難しい。



何かうじうじはちくんの成長過程を考えていたら見失った!!
はちくんは竹谷になるだけなのに何を考えているんだろう、こんなこと考えているんだったらはちくんをちゃんと見とけば良かった!!



とりあえずはちくんが消えたであろう方へ駆け寄ると、公園があって…





あっ!いたっ!!




なんかぱちぱちしながらジャンプしてる。
ん?と思ってよく見ると蝶々を捕まえようとしているらしい…



可愛いな、ホント。
一生懸命手を伸ばしてジャンプしても蝶には届かなくて何だか悔しそう。

なにか考え付いて助走をつけてジャンプ!したけど、






こけたっ!!


で、そのまま地面にダイブした。
あぁ、顔汚れちゃってるよ…でも笑顔。


服も汚れてるし、真っ白なセーラー服が土色セーラー服になっちゃった。

子供だから汚しちゃうのはしょうがない。
一生懸命洗濯しよう。





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