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絡めた指が愛になる




だんだんと暑くなってきた今日この頃。

いつも、のんびりと過ごす時間も暑さのせいでちょっと憂鬱だ。

そんなことをぼーっと考えていると、こつん、と額を突かれた。
何事かと視線を上げると、見慣れた顔。



「何ぼーっとしてんだ?」

『左之さん…』



そこには呆れたような顔をして笑ってる左之さんがいた。
綺麗な赤い髪が太陽に反射してキラキラしている。



『だって、暑いじゃないですか。』

「あー、暑いの苦手だったな。そばは。」



そう言って隣に座った左之さん。
そして、どっちからという事もなく手を繋いだ。

もう当たり前のようになっているこの行為。
だけど、いつも心の奥がきゅ、となる。

恥ずかしくて、思わず俯いてしまった私の様子に気付いた左之さんが小さく笑ったのが、繋いだ手の振動で伝わってきて、もっと恥ずかしくなってしまったのだった。





そのまま、他愛のない話をしていると、ふいに繋いでる方の手が引かれた。
疑問に思って、そちらを見ると、ばっちりと左之さんと目が合う。
そして何故か優しく微笑まれた。

また心の奥がきゅ、となるのを感じながら、私も微笑み返してみる。

繋いでいる手の力が強められた。



「お前は本当…」

『え?』



上手く聞き取れなかった言葉を聞き返そうとしたその時。

もっと強い力で手を引かれ、バランスを崩した。

そして、左之さんの胸に頭を埋める形になった私は何の反応も出来ないまま、ちゅ、という音を聞いていた。

感覚は――…私の、薬指から。



『…え?』

「ここな、愛の証…って、くせえか?」



少し意地悪そうに笑う左之さんに、顔が一気に熱くなるのが分かる。
そんな私の様子を見て、もっと笑った左之さんは「次は口な?」と言ったのだった。





(も、心臓に悪い…!!)








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