短編 | ナノ


  ある日神様は拳銃を突きつけて言うのです


※ヤンデレっぽいかもしれません




広くて、ちょっとだけ薄暗い室内。
その奥に、偉そうに目を瞑って、机に足を乗せて座ってるのは、私のボスだ。



「どうも、ザンザス?」

「……」



相変わらず返事はしない。
そのことにイラっとしたけど、こんなことはまだ序の口だ。
ひどいときは本当に寝てたり、いきなり物を投げたりしてくるから。

まあ…今日は報告に来ただけなのだから、さっさと言って帰ればいい。



「今日は報告に来たの。」

「……」

「フリーで、あなたたちヴァリアーの傍について来たけど、今日で辞めさせてもらうわ。」

「…あ?」



ずっと瞑っていた目を開けたザンザスの、鋭い視線に射抜かれる。
その赤い瞳も、とても久しぶりに見たけど、やっぱり綺麗だ。
多分、ずっと忘れないだろう。



「あなたたちに拾われたときは、まだまだ未熟で使えないやつだったけど…今のこの私の実力を買ってくれるって人が声をかけてくれたの。」

「……」



私が話す度に、どんどん鋭さを増すザンザスの瞳。
それは何だか怒りも含まれているような気がして…いや、いつものことか。

いまだ、何も答えないザンザス。
私も言うことは言ったし、さっさと去ろうと背を向ける。



「…じゃあ、今までありが――っ!」



―――…ドンッ

肩を痛いほど掴まれ、壁に叩きつけられる。
あまりの衝撃で、目の前に光が散った。

いつの間に近づいたんだろう。
よく分からないまま、私の言葉は途切れて、そのかわりに止まらない咳が出てきた。



「げほっ、ごほ…っ」

「おい、名前。」

「ごほっ…な、に…?」



目の前に迫っていたザンザスは相変わらずするどい視線で、私を見下ろしている。
背中と肺…痛みも相まって、冷や汗が噴きだす。

でも、絶対に目は逸らさない。



「てめえ、言ってる意味分かってんのか。」

「…もち、ろん。」



私も睨むように見つめる。
考えを変えるつもりはない。

私の答えが気に入らなかったのか、目が気に入らなかったのか。
それは知らないけど、ぐっと眉間にしわを寄せたザンザスは一段と低い声で言った。



「…びびってんのにか。」

「え?」



何を言ってるんだ?
そう思った瞬間、ザンザスの手が私の頬に当てられた。
思わず、ビクッとする。



「今、俺にびびってるようなお前が、外ではやっていけねえ。」

「……」

「わざわざ死にに行きてえなら、別だがな。」



その言葉に、自分の手のひらに視線を落とす。
すると、自分でも気付かないうちに、ザンザスに恐怖を感じていたんだと、自分の手の震えで知った。
びっくりして、目を見開いた私に「名前。」ともう一度呼ぶ声。

のろのろと視線を上げると、さっきより鋭い赤い目。



「お前は甘え。まだまだ乳臭いガキが、調子乗ってんじゃねえ。」

「…そんな、こと」

「どうしても死にてえなら、いつでも俺が殺してやる。」



自覚すると、目の前にいる人物が怖くて仕方ない。

威圧的な言葉と目に、捕らわれたみたいに動けなくなる。
ザンザスから浴びせられる言葉が深く突き刺さって、何も考えられない。








(その視線は私を蝕んでいくの)
(そんな簡単に離さねえ)




短いし、意味が分からない…

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