汗をかいたらドリンクを
「ドリンク作成、マッサージ、得点記入、健康管理、部室の整理、逃げ出さないように見張り、あと仕事ってありますか?」
そう訪ねてきたのは男バスに選手として入部しようとした女子、入船凉子。
普段はマネージャーの仕事をやるということで、早速仕事を覚えてもらおうとしたところ、彼女は帝光中時代もマネージャーの仕事をしていたらしく、仕事を教える必要もないぐらいだった。
ただ一つ気になることが…。
「逃げ出さないように見張りってなに!?」
「え、ないんですか?」
「ないわよ!」
なんでも、帝光中時代のキャプテンがそれはそれは恐ろしい人だったらしく、逃げ出そうとする者が多かったらしい。
キセキの世代…やるわね。
そんなことを話していると、ランニングに行っていたメンバーが戻ってきた。
凉子が即座に作っておいたドリンクを差し出す。
それを受け取るメンバーの顔、顔、顔!!
デレデレしやがって…!!
「今デレデレしてる奴ら!全員もう3週外周追加するわよ!?」
おっと、心の叫びが声にでていたらしい。
男性一同はデレた顔から真っ青な顔になった。
確かに凉子ちゃんは美人な方だけど、そこまでデレる必要ないじゃない!
「凉子さん、ありがとうございます。」
「いーえ、テツお疲れ。アンタ体力ないクセに相変わらず頑張るじゃん?」
そう楽しそうに話す凉子ちゃんが見えた。
普段みせない笑み。
二人の信頼関係がよく見えた。
「そういや黒子と入船って同じ中学校だったな。仲いいのか?」
そんな二人を日向も見ていたのだろう、彼はそう問いかけた。
「仲がいいっていうか…なぁ?」
「僕の母親と凉子さんの父親が兄弟なんです。」
その言葉に皆が驚いた。
「え、じゃあ二人はいとこ関係ってことか!?」
「あ、はい。言ってませんでした?」
「言ってねーよ!」
「まあ言う必要ないかなって。」
確かに言う必要はないことだったが、さすがに驚いた。
「…言われてみれば、そのぼーっとした雰囲気が似てる気がする…」
火神は目を見開いたまま、そう呟いた。
汗をかいたらドリンクを(ほらテツ、風邪ひくから汗拭け)
(凉子さん、高校入ったらその口の悪さ直すんじゃなかったんですか?)
(う、うるせー!)
(((…いとこ)))
……………………
はい、いとこです。
同い年のいとこ欲しいよ!!!
(20120721)
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[mokuji]
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