盗撮が犯罪って知ってますか?
「おはよ。澪、今日も疲れた顔してんな!」
「…あぁ、おはよ。理由は聞かないでくれや井上氏。」
「まぁ、なんとなく想像できるがな。」
私の前の席に座っている井上くん。
彼はランダムに座ってた入学式の座席で隣だったのがきっかけで仲良くなった。
黄瀬涼太の件で話をよく聞いてくれるとてもいい人。
ほら、ヘタに女の子に黄瀬関連を愚痴れないじゃん?
それは最悪いじめが始まりそうで怖い。
「で?今日はあいつ、どんな大立ち回りをしてくれたんだ?」
…前言撤回。
井上君ってもしかして振り回されてる私を見て楽しんでる?
そのワクワクとしている瞳をやめておくれ!
「んー…今日は起きた瞬間あいつの顔が目の前にあった。」
「は?」
「びっくりだよねー。」
そう、今朝私はベッドで仰向けの状態で起きた。
そしたらやけに隣が温かかったんだよ。
嫌な予感がして、ゆっくり隣を見たら、黄瀬涼太がいたのだった。
「…えっと、びっくりっつーか、不法侵入っつーか。」
「あぁ、あいつはしっかりうちの母親と繋がってやがるんだよ。」
母曰く、“こんなイケメンになった涼ちゃんがうちの子になったら素敵ねぇ!”だそうだ。
お前には父という存在がいるだろう馬鹿者め。
そんなこともあってか、母は黄瀬に全面協力状態だ。
「す、すげーな。そんで?」
「その後、私の寝顔をみてニヤニヤしてた奴の顔をグーパンして来ました。」
“モ、モデル…”が彼の最期の言葉でした。
そんな話をしていると、パシャッという音がした。
「澪っち、酷いっスよ!先に行くなんて!!」
「いや、行動と言動と顔が全部違う今のお前には何も言われたくない。」
彼は私と井上君を携帯で撮り、笑いながら怒っていた。
彼の鼻がうっすらと赤いのは、私のせいではない。
「ってか、消せ!」
「いやッス!澪っちフォルダーに保存保存♪」
「よこせ!SDカードごと粉砕してくれる!」
「そ、それは勘弁ッスぅ!!」
そう言って自分のクラスに逃げた彼。
私が目立ちたくないのを知っての行動だ。
私のクラス内はあいつが来るから仕方ないとして、廊下やほかのクラスで騒ぐとかなり目立ってしまう。
「ッチ、今日はたっぷり反省会してやらぁ。」
そんな私をみて井上君が何も言えなくなったことは、その時の私にはわからないことだ。
盗撮が犯罪って知ってますか?(ってか本当に私フォルダってなに!?)
(そんなの知らないんだが!!)
…………………
二話目。
井上君登場しました。
オリジナルキャラクターです。
女の子に黄瀬にまとわりつかれてるって言っても、羨ましがられるか妬まれるかな気がしてならなくて、男の子キャラになってしまいました(笑)
私が澪さんに相談されたら妬む(笑)
(20120715)
[ 2/17 ][*prev] [next#]
[しおりを挟む]