スキンシップじゃなくてセクハラです
「澪っちぃぃ!!」
今日も尻尾を振りながらものすごい勢いでかけてくるあいつ。
(もちろん尻尾はついてないが。)
彼、黄瀬涼太は私の幼馴染であり、ストーカーである。
なんて言ったら、ファンの皆様に監禁されそうだから言わないでおくけど。
「…今日はなんのようですか、黄瀬涼太。」
「あいかわらず冷たいところがかっこいいっス!」
黄瀬涼太は、芸能界で今注目を集めている人気モデルだ。
まぁ顔はいいからね。
顔、は。
私は今年の4月、海常高校の1年生になった。
中学までは学区の関係で家が隣の彼といつも同じ道を歩んでいた。
9年間中8年間も同じクラスだったのは、イジメでしかないと思おう。
まぁ、違うクラスだった1年間も、毎日私のクラスまで来ていたのだから意味はなかったが。
だから、高校こそは離れてやると思って神奈川の海常高校にしたのに…。
(「え、なんで黄瀬涼太がいるの!?」)
(「ここ、バスケ強いんスよ!ほかにも推薦来てたとこはあったっスけど澪っちがここにくるって聞いたから!」)
(「誰に!?私言ってない!」)
(「澪っちのお母さんに!」)
と、いうことで。
また3年間同じ学校になりました。
「澪っち!一緒に帰るッスよ!」
放課後はいつも隣のクラスになった彼が迎えに来る。
私はそれを見越して逃げる。
つまり、追いかけっこのスタートだ。
中学までに黄瀬涼太と仲がいいという理由で様々な被害にあってきた。
だから、彼以外に知り合いがいない高校では平和に生きたいんだ!
「澪っち、見つけたッス!」
まぁ、そんな望みは入学そうそう消えたけどね。
彼は屋上で寝転んでいた私を見つけて隣に寝転んだ。
私と彼の距離、数センチ。
「…近い。暑い。邪魔。」
「澪っちひどいッス!」
そう言いながらさらに擦り寄る彼。
私の首あたりに腕を回して抱きついてくる。
…さすがモデル、いい香水つけてる。
彼の首元に私の顔が入った状態で、彼は笑った。
「澪っちいい匂いするッスねぇ」
私の頭に顔を付ける彼。
ため息をつく私。
彼のファンの皆様にこんな様みられたら、確実に私殺される。
私は彼の腹元にあった自分の手をグーにして彼のお腹を殴った。
スキンシップじゃなくてセクハラです(ぐ…っ!!)
(ほら、帰るわよ。)
(ま、まって欲しいッス…!)
………………
とうとう始めました、黄瀬連載!
黒子っちも書きたいなと思いつつ、黄瀬に手が伸びました(笑)
短期連載になるかは未定ですが、よろしくお願いします!
(20120715)
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